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世界らん展

初心者向け洋らん購入ガイド ~気をつけるべき4つのポイント~

春に近づくと、全国各地でらん展などのイベントが増えていきますが、らん展での楽しみといったら、ベテラン栽培家たちによる立派な展示株の鑑賞の他に、らん園による洋らんの販売も楽しみの一つですよね。

そんな中、初心者の方は「沢山あってどんな株を選べばいいかわからない…」や、「買ってきて、特に何にもしていないのにどんどん調子が悪くなってきているな…」などの悩みを持つことありませんか?このコラムでは初心者の方がらんを購入する時に気をつけるべきポイントをいくつか紹介していきたいと思います。

この記事の目次

洋らんが買える場所

まずは洋らんを育ててみたい!と思った時に、購入できる場所ですが大きく分けて3つあります。

1.らん展

まずは先程も書いたように全国で開催されるらん展です。ORC MAGAZINEでもイベントページに見ていただくとわかりますが、年中どこかの地域で行われています。

世界らん展のような大きい規模のものから、各地の愛好団体が行う小規模のらん展まで様々ありますが、その際に大体の場合は会場の地元の洋らん園(生産者)が何店舗かブースを構えて販売をすることが多いです。例えば東京ドームで行われる世界らん展では海外からの出店もあるため、100店舗以上の出店があります。

らん展で購入するメリットは、いくつかの洋らん園が出店し、様々ならんが集まる為選択肢が増えることでしょう。もう一つは、らん展では開花しているらんが展示しているので、運良く気になったらんが展示されていれば、実際どんな花かを確認して購入できることです。大体の場合、洋らん園が花の写真を株と一緒に飾っていることが多いですが、飾っていないこともありますし、また写真ではわからない香りも感じることができますから、実物で確認できることは大きなメリットの一つといえます。

2.洋らん園

こちらは生産している洋らん園に直接伺って購入するパターンです。洋らん園もORC MAGAZINEのショップガイドを見ていただければわかりますが、全国各地にあり、知らなかっただけで近所にあった。なんてこともよくあります。もちろんこちらに掲載されてない洋らん園も沢山存在します。

洋らん園で購入することのメリットは、何といってもその販売している数でしょう。洋らん園に行かれたことのある方ならわかると思いますが、温室の中にらんが所狭しと並んでいてすごい光景です。らん展ではどうしてもスペースが決まっている為、数に限りがあります。洋らん園ではその何倍もの株を宝探しのような感覚で選ぶことができます。

そしてもう一つが、園主やスタッフの方とお話ができることです。らん展でも可能ですが、短い期間で沢山のお客さんを相手にしなければならないイベントと違い、洋らん園では同時に沢山の来客があることは稀なので、腰を据えて色々と栽培の相談をしたり、情報を得ることが出来ます。

そこで注意していただきたいのが、そもそも栽培場を公開していなかったり、またはお休みが決まっていない場合もありますので、一度訪れる前に洋らん園に確認してみることをおすすめします。決まった日時に開店するショップと違い、あくまでらんを栽培する場所ですので、迷惑とならないよう心がけましょう。

 

3.オンライン(フリマ・オークションサイトやECサイト)

今まさにコロナウィルスの影響でイベントが激減し、ネットを通じた販売や取引を利用する方は多いのではないでしょうか?

例えばメルカリのようなフリマサイト、ヤフオクのようなオークションサイト。または各洋らん園や小売店が立ち上げたECサイトなどがあります。このようなオンラインで購入するメリットは、やはり時間や場所を選ばないということでしょう。早ければ購入した翌日に商品が届くこともありますので、忙しくイベントに参加できない方や、住んでいる地域でイベントも洋らん園も無いという方にはとてもありがたい存在ですよね。

注意する点といえば、写真だと株の状態がわかりにくいところです。実際の株を見ると、生き生きしているか、ちょっと元気がないかが雰囲気で感じ取れるのですが、写真の場合それを感じ取ることは難しいですし、葉裏や根など写真には写らない箇所もあるので、十分な注意が必要です。また輸送時に掛かる衝撃や、地域によっては冬季の寒さで株を痛めてしまうというリスクもあります。

使い方次第では便利なオンラインでの購入ですが、メリットとリスクをしっかりと理解した上で活用しましょう。

 


以上のように洋らんを購入できる場所を3つ紹介しました。ただ敢えて挙げなかったのは園芸店などの小売店ですが、その理由は、もちろん洋らんを扱う園芸店もありますが、大体の品揃えが贈答用の胡蝶蘭やミニカトレア、切り花のオンシジュームなどが主で、中々幅広い品種を取り扱う園芸店が無いのが現状です。今後趣味家向けの洋らんを扱う園芸店が増えていくことを切に願っています。

 

村上園芸

基本中の基本。そのらんの特性を調べる

さてどんな場所で購入できるかわかったところで、実際に買いに行くとしましょう。お目当てのらんがあれば良いですが、特に無く気になったものを手にとっていくこともあると思います。その際に、最低限そのらんの特性について少し調べてみましょう。

一番手っ取り早いのはお店の人に聞いてみることです。住んでいる地域、自宅の環境などを伝えれば色々とアドバイスを貰えるでしょう。もし何らかの理由で話しかけられない状況であれば、お持ちのスマホでその種が自生する場所や、栽培している方のブログを読んでみるのもいいでしょう。なんとなくで結構ですので、自宅の環境で栽培しているイメージを持つことが一番重要です。

例えば暖かい地域に暮らしているのに、寒い場所に自生するらんを栽培するのは難しいということは、容易に想像できる筈です。

ORC MAGAZINEでも、「らんについて調べたい時のお役立ちリンク集」というコラムもありますので、是非活用してみてください。

 

成長期に買う

次は購入する時期についてです。実際にらん展に行き、気になるものを見つけ、お店の方にアドバイスをもらい「自分の家でも育てられそうだな」と思い購入したとします。

ワクワクして自宅に帰り栽培をスタート。しかし1ヶ月程観察していても一向に成長している気配が無い。しかも成長どころか葉がだんだん黄色くなりポロポロと落ちてくる…。水が足りないと思い水やりの回数を増やしてみたら、ますますやせ細っていき最後は枯れてしまった…。という経験はないでしょうか?

まずらんに限らず植物は、自ら移動するということは無いので販売する業者が栽培場からイベント会場に運ぶだけでもストレスが掛かっています。そこへ今まで過ごしてきた温室から全く違う環境で生活すること自体、体に大きな負荷を掛けていることになります。人間に置き換えても同じことが言えるでしょう。

そういう時は、そのらんが「環境の変化にも動じない丈夫な性質を持っているか」という前に、そのらんが成長中なのか休眠中なのかが重要になってきます。

例えば秋〜冬に開花するらんであれば春〜夏は成長真っ盛りの季節です。成長中で新芽や根が活発に動いている時期であれば、ある程度環境が変化したとしてもしっかり育ってくれます。逆に開花後らんとって生殖活動が終わり、体を休ませている時期に環境の変化があると、株は弱り、動きがないまま為す術もなく枯れてしまうことも起こり得ます。

また水やりにも注意しましょう。購入直後の環境にまだなれていない時に水やりをしても、根が水を吸わず根腐れしてしまう可能性もあるので、株の状況次第ですが購入直後の水やりは控えたほうが賢明です。

まずは購入する時に、そのらんのおおよその開花時期を調べて、今が成長期に当たるか調べてみましょう。もし調べられない状況だとしても、株を手に取り新芽や新しい根が動いているかを確認してみてください。動きが感じられれば、環境が変わったとしても成長してくれる可能性は高いです。

サンシャインらん展

とにかく大きい株を選ぶ

次は株の成長具合についてです。種から苗を育てることを実生と言いますが、らん展などで洋らん園が独自に交配を行い作った実生苗を販売していることがよくあります。

そういった苗は、育て始めた小さな苗からBS(開花サイズ)のものまで様々です。そういった苗を選ぶポイントでよく言われるのは、「葉に色素が乗ったものを選ぶと濃色の花が咲く」や、「葉が丸いものを選ぶと丸い花が咲く」などです。ですが今まで沢山のらんを見てきたベテランならともかく、初心者の方ならばとにかく一番大きい株を選んでみてください。

理由は2つあり、1つ目は小苗だと生育が十分ではなく、枯らせてしまう可能性が高くなってしまうことです。小苗はデリケートなので虫や病気などに対して抵抗力も弱く、気を使いながら栽培しなければいけません。なので初心者の方には少しハードルが高いと言えます。

2つ目は、初心者の方はまず開花させることが今後栽培するにあたってのモチベーションとなります。なので開花可能なサイズを選ぶ、何なら花芽の上がっているものや、蕾付きの方が尚良いです。ひとつの成功体験があると、次の開花に向けてのモチベーションになりますし、開花までにそのらんの持つ特性が、何となく感じることができます。小苗から栽培していると開花させるまで数年掛かるので、ヒントがないまま闇雲に栽培することになり、また花を見れないことでその株に対する関心も薄れていってしまいます。

以上2つの理由から初心者の方はとにかく開花サイズで、選択肢がいくつかあった場合でも一番大きな株を選んでみてください。

サンシャインらん展

ラベルを読み解く

次はラベルについてです。らんの植えられた鉢に必ずと言っていいほど刺さっている園芸ラベル。ここにはらんの持つ情報の全てが書かれています。購入する前に必ずチェックしてください。

例えば「x sib」や「x self」など表記されていることがありますが、これは先程書いたような種から育てた実生苗になります。その一方で「OG」と表記されているものは”オリジナル”の略で、親株を株分けによって増やした株になります。

実生苗は両親の特性、さらには先代の特性を引き継ぎますので、どんな花になるかは咲いてみないとわかりません。実生株はラベルに親の情報も書かれていることも多いので、親の花を調べて、どんな花になるんだろう?と想像しながら購入するのも楽しみの一つと言えます。

OGは親株の分け株ですので、基本的には同じ花が咲きます。例えばSNSなどでひと目見て気に入った花があるとしましょう。それと同じものが欲しいとなった場合、その分け株を探せば同じ花を咲かせられる事になります。

また花色についての情報も書かれています。同じ種類のらんでも、赤い花もあれば、白い花も黄色い花も存在する場合があります。その時はラベルを確認し、何も記載がなければ基本色で、「alba」と表記されていれば白花。「aurea」「flava」などの表記があれば黄花となります。その他にも花の柄を表す記号、各洋蘭団体が定める審査会での評価など、あの小さいラベルの中に沢山の情報を読み取ることができます。

洋らんについて調べていくと色々な専門用語が出てきて、混乱することもあるかもしれませんが、少しずつ覚えていきましょう。ORC MAGAZINEでもラベルに付いてのコラムがあるのでそちらも併せて読んでみてください。

こちらのコラムの最後にダウンロードできる洋らんの「略号・記号早見表」を改めて掲載しておきますので、スマホの画像フォルダに保存して、わからない略号や記号があったら、この早見表で確認してみてください。下のボタンをクリック(タップ)すると表示されます。

 

※画像の無断転載、個人利用以外での使用、2次配布を固く禁じます。また、こちらの情報を使用し、起きた事象に関して当方は一切の責任を負わない事をご了承ください。

 

まとめ

さて初心者向けの購入ガイドはいかがだったでしょうか?

散々これまで書いておいて申し訳ありませんが、最終的には自分が気に入ったものを購入するのが一番です。気に入ったものだからこそ、枯らさないように、花を咲かせられるように試行錯誤すると思いますし、それこそが園芸の醍醐味だとも思います。

ただ上記にあるような、選ぶ時のちょっとしたことで枯らしてしまうリスクを減らしたり、今後の管理が楽になることがあります。なので考えすぎる必要はありませんが、このコラムでお伝えしたことを頭の片隅に置いてもらい、それでも迷ったらお店の方に聞いてもらえれば、丁寧に教えてくれる筈です。

このコラムが、読んでくれた方の少しでも役に立ってくれれば嬉しい限りです。

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