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特徴的なバルブと花で話題の “タケノコ系” を学ぶ育てる -その2-

その1では多くの種類がある事や花の面白さをご覧いただきまして、興味を持っていただいた方がいらっしゃったら幸いです。

人気の急上昇のタケノコ系ですが、意外とその栽培方法が認知されていないように感じます。

まずは基本的な栽培方法を解説、その後失敗させないために育てる、いくつかのポイントをお伝えしたいと思います。

この記事の目次

基本的な成長期の栽培方法

タケノコ系は、夏の35℃を超える暑さにも丈夫で、冬の寒さには10℃以上あれば十分育てられます。

温度はさほどに気にせず、それ以外の基本的な情報は以下の通りです。

 

【夏場の水やり】

夏場の成長期は、植え込み材の表面が少しでも乾いたらたっぷり水を与えます。

植え込み材料は水苔が最も管理しやすいかと思います。

素焼き鉢が良いですが、鉢が小さく乾きが早すぎる場合はプラ鉢植えでも大丈夫です。

新芽が大きく育っていたら梅雨に当てても大丈夫です。

 

【夏場の日照】

明るい環境は好きなので、年間を通して良く日光浴させましょう。

夏場(5月~10月)にかけては陽射しが強いため、遮光ネット(50%遮光)で半日陰を作る、

または陽射しの射す窓辺でレースカーテン越しの管理をお勧めします。

バルブを太らせるために、9月過ぎには日照時間をより多く当てられるようにしましょう。

 

【風通し】

自生地ではヤシの木の葉の付けねに着生しているため、風通しの良い環境は好きです。

夏場はなるべく外に出して、自然の風に当ててあげましょう。

 

以上の内容は多くの着生ランを共通することも多い管理方法かと思います。

ここからはタケノコ系の栽培特性として大切なポイントを紹介していきます。

 

重要なのは水を与え始めるタイミング

タケノコ系は、新芽が出始めても最初の水やりは我慢します。多くのランは新芽が出ると同時に成長期を迎え、水やりの回数を一気に増やし始めますが、タケノコ系は水やりのタイミングがちょっと特殊なため、画像を使って分かり易く説明いたします。

①新芽がちょうど出始めた様子です。このサイズの場合は鉢への水やりはまだ控えます。品種間差もありますが、小さな新芽は柔らかく、腐りやすい場合が多いです。

 

②新芽が大きくなってきた様子です。しかし、この状態でも水はまだ我慢します。もっと大きくなるまで辛抱です。

ポイントとして、タケノコ系の水やりを与え始めるタイミングは、新芽の大きさが10㎝を超え、葉が広がり始めてから水やりを開始します。新芽を大きく育ってから水を与えることで新芽が腐りにくく、丈夫に芽が育つことが出来ます。

今回の状態では、新根が伸び始めてきているため、根に霧吹きをかける程度の水やりはOKです。

 

③新芽が大きく伸び、葉が2~3枚広がってきた様子になります。写真の新芽のサイズは15cmほどあります。ここまで来たら水やり解禁です!たっぷり与えましょう。新芽自体を濡らしても腐りにくくなっています。

タケノコ系でも小型タイプ(Cl. Grace Dunnなど)または苗の状態では、新芽が10㎝に満たない場合があります。

その場合は、小さな新芽でも葉が3枚以上広がれば、水やりを開始して大丈夫です。

水やりの解禁と同時に肥料も与え始めても大丈夫です。

 

④新芽が更に大きくなった様子です。ここまできたら成長のピーク時になります。

梅雨の時期にこの状態になっていれば、長雨に当てて鉢内が常に湿っていても問題ありません。タケノコ系は成長期の水分要求量がとても多いため、5~6月の梅雨はむしろ好都合になります。その換わりに風通しは意識しましょう。

早いものですと7月過ぎにはバルブが見る見る太り始め、9月過ぎにはかなり膨らんだバルブになるでしょう。

注意点としては、梅雨の長雨はOKですが、秋雨に当てることはNGです。

 

肥料もしっかり与える

成長期は水分だけでなく、肥料もしっかりと与えてください。タケノコ系は肥料を好むため、バルブを太らせるためには必須です。固形有機肥料の場合は、既定量よりもやや多く与えても大丈夫です。化成肥料の場合は濃度が濃いため、鉢に合わせた既定量分を与えましょう。また、置き肥だけでなく液肥も定期的に与えると、より効果的に立派に育ちます。

肥料のコツとして、9月頃から与える肥料は、開花を促進するための肥料を与えます。理想的なのは、窒素分がかなり少なく、リン酸分が豊富な肥料を与える事をお勧めします。入手しやすいリン酸系肥料は、液体肥料だとハイポネックスハイグレード開花促進、または固形肥料だとバッドグアノになります。

 

害虫に要注意!

タケノコ系が成長する時期は害虫も多く発生しやすい時期です。観察しながら予防をしていきましょう。

葉に傷が付いている様子ですが、こちらは小さなマイマイに葉をかじられた跡になります。特に葉の裏から食べている事が梅雨の時期によく見られますので、気を付けましょう。

葉の裏にはハダニも着きやすいです。なるべく葉の裏を観察しダニが付いていないか確認しましょう。葉裏にハダニの障害が確認出来たら、ダニ専用の殺虫剤を散布しましょう。

 

こちらは新根の伸長が止まっている様子(赤丸の部分)ですが、こちらはナメクジに根の先端をかじられた跡になります。このようなことも夏には起きやすいので気を付けましょう。数か所をかじられても、新根は他の場所からまだ出てきますのでご安心ください。いずれにしても初期対応が大切になります。

 

害虫ではないですが、もう一つ気を使っていただきたい事が御座います。

タケノコ系は葉の付けね(赤丸の部分)には汚れや水アカが溜まりやすくなります。これはリカステやバンダなどでも同じことが言えます。葉の付けねが汚れてくると、場合によっては病気が発生したりする場合があります。この付けねの部分は水圧に注意しながら水をかけていただき、洗ってあげると健全に育ちやすくなります。またはウエットテッシュで拭いてあげることも良い方法です。

根が空中に伸びてきたら?

タケノコ系の特徴として、根が植え込み材料から飛び出して、空中に向かって伸び始めることがあります。これは「気根」といい、空中湿度や雨水を感じとるための根になります。画像の様に根が空中に伸び出して心配される方もいらっしゃいますが、これは元気な証拠です。気根が増えてきてもそのまま管理し続けてください。落葉した秋以降は、バルブと合わせて見栄えも良くなります。

品種によっては気根が出にくい個体もありますので、気根が出ていなくても元気に育っていれば問題ありません。

 


成長期の栽培方法はいかがでしたでしょうか?

夏の成長期が過ぎると、10月下旬の秋から冬にかけて休眠し始め、そのタイミングで落葉が始まります。

落葉し始める段階で、水やりの回数を少なくし、完全に葉が無くなったら鉢にほとんど水を与えなくても大丈夫です。

休眠期にむかう秋以降の管理は、次回更新させていただきます!

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1991年生まれ 9歳の頃にランと出会い、栽培歴は既に20年。 多数の品評会・展示会に入賞歴、審査員経験あり。ラン栽培家として、雑誌やTVなどのメディアで活躍。 ときめくラン図鑑の著者として、ランを身近に普及する活動に取り組む。

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