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特徴的なバルブと花で話題の “タケノコ系” を学ぶ育てる -その1-

最近、SNSなどで人気になっており、ラン業界でも注目を集めている種類があります。

それらは通称“タケノコ系”と呼ばれているランたちです。

今回はそんなタケノコ系の特徴や栽培するときの注目点をご紹介いたします。

この記事の目次

話題のタケノコ系とは?

タケノコ系とは、ラン科の中でもバルブがまさにの様に太く、立派な茎に発達し、休眠期に落葉する種類。それらの種類は親しみを込めてタケノコ系と呼ばれています。

主にカタセタム属モルモデス属シクノチェス属クロウェシア属ガレアンドラ属、およびその属間交配種を指すことが多いです。タケノコ系と呼ばれる種類は原種だけでも200種類以上あります。これもコレクション性の高さがあり、楽しさを引き立てます。

このバルブが映える姿から花が咲いていなくてもカッコイイ、インテリア性も高いとされ、若い世代からベテラン愛好家まで幅広い方々が栽培を愉しまれています。花も多種多彩で、その花色と特徴的な花形を好む方も増えています。育てる過程も楽しい、咲かせて楽しい、魅力あふれるランのひとつになります。

それでは次にタケノコ系の代表的な品種をご紹介したいと思います。

 

1. Fdk. After Dark ‘SVO Black Pearl’ FCC/AOS

画像協力:花咲かじいちゃん洋らん栽培

Fdk. After Dark ‘SVO Black Pearl’ FCC/AOS  (Mo.Painted Desert × Ctsm.Donna Wise)

フレッドクラーケアラ・アフターダーク ’エスブイオーブラックパール’

2002年に登録され、世界デビューした衝撃の漆黒の花。タケノコ系で最も有名で、この系統を流行らせたといっても過言ではないのがFredclarkeara(略称:Fdk.)になります。アメリカのSunset Valley OrchidのFred Clarke氏が育種を続け、この花が誕生しました。

登録されて数年後、世界らん展でアメリカの蘭園が日本初販売をおこないました。その当時は「黒船襲来」と言われたくらい非常に話題になり、販売株は即完売。1株数万円での販売だったことを覚えています。

有名な個体として’SVO Black Pearl’以外に’Sunset Valley Orchids’ という個体もあります。(サイトトップの花)’Sunset Valley Orchids’ は花色が濃赤茶色ベースに黒色の細点が散りばめられ、リップに黄色の模様が入る芸術的な色彩になります。

現在はメリクロン苗の流通量も増え入手しやすくなりました。5千円前後で販売されている事があります。丈夫で育てやすく今でも人気が高い交配種です。

主に冬咲きになります。

 

2. Cl. Grace Dunn ‘Chadds Ford’

画像協力:花咲かじいちゃん洋らん栽培

Cl. Grace Dunn ‘Chadds Ford’  (warczewitzii × rosea)

クロウェシア・グレースダン ’チャズフォード’

1959年に登録され、タケノコ系で最も普及している品種の一つです。

小型であまり大きくならず、自然と花房は垂れ下がります。開花すると柑橘系の爽やかな香りを漂わせます。淡いピンク色が優しい色合いでリップのフリフリも上品です。有名な個体として’Chadds Ford’と’Beaver Valley’がありますが、花はどちらも良く似ています。主に冬咲きになります。

類似品種でCl. Rebecca Northen(クロウェシア・レベッカノーザン)という交配もあります。こちらも似た花で強健の育てやすい種類です。花色はGrace Dunnに比べてピンク色はやや濃いかと思います。また、花つきの良さはどちらも定評があります。

左の写真は、Cl. Rebecca Northen ‘Mikkabi’になります。

Rebecca Northenは、’Mikkabi’と ‘Grapefruit Pink’ という個体が有名です。花の差はGrapefruit Pinkが一番ピンク色が濃いですが、’Mikkabi’に比べて花サイズは小さく、抱え気味の丸い花形になります。

 

 

 

3. Cycd. Taiwan Gold ‘Taiwan Orange’


Cycd. Taiwan Gold ‘Taiwan Orange’  (Cyc.chlorochilon × Morm.badia)

シクノデス・タイワンゴールド ’タイワンオレンジ’

台湾でもタケノコ系の育種は進み、日本だけでなく、世界中で人気が出ていることが伺えます。

その台湾タケノコ系の中でも代表種がこのTaiwan Goldです。本種は黄金色の個体も存在しますが、個体違いでこのような艶のある赤褐色が目立つ花もあります。ジャスミン系のよい香りも楽しめ、花数が多く咲きやすいため、豪華に咲きやすいのが嬉しい性質です。今ではメリクロン苗の普及によってランの展示会やイベントなどで入手しやすくなっています。(特に台湾のラン販売店で入手しやすいです)

主に秋~冬咲きになります。

 

4. Ctsm. pileatum


Ctsm. pileatum

カタセタム・ピレアタム

コロンビア、エクアドル、ベネズエラなどの南米に自生する、カタセタムの原種の中でも最も人気の高い種類です。

大きなお椀型のリップが特徴で、花の迫力はカタセタムの中でも随一です。花色がとても豊富で、ネットで検索しても黄色、緑色、白色、赤褐色など、沢山の花色があることが分かります。この花色の多さはコレクションし甲斐があります。また、暑さに強く、日本の暑い夏も容易に育てられます。

不定期咲きでバルブの成長具合で開花するタイミングが変わります。惜しいのは花もちがよくない為、観賞期間は1週間程度、咲き始めが最も綺麗です。

 

5.Cyc. warscewiczii ‘Big Green’


Cyc. warscewiczii ‘Big Green’

シクノチェス・ワーセウィッチ ’ビックグリーン’

コスタリカやコロンビアなどに自生する着生ラン。

シクノチェスの中でも最大級の花の大きさで、この立派な花には見惚れてしまうほどだと思います。花色はライムグリーンがとても美しいのが特徴で、それに加えジャスミンの様な香りも楽しめるのが特徴です。

シクノチェス属はバルブの上部または中部から花芽が出てきます。カタセタムなどは株元から花芽が出てくるので、見分けるポイントになります。惜しいのが増えにくいため大株には育てずらい、バックバルブが枯れやすい性質を持ちます。

主に春~初夏咲きになります。

 


 

ご覧頂いたように、タケノコ系のランは花の形、色など実に様々な種類が存在しており、この多様性が魅力の一つになっています。このタケノコ系は育てることが難しい様に思われがちですが、意外と難しくありません。日本では冬時期に休眠して落葉をするため、水やりも不要になり、他のランよりも癖が無いランだと思います。ポイントさえ押さえれば家庭環境でも充分に育てられることが出来ます。

次回はタケノコ系のランを育てる上で、基本的な栽培方法から管理のポイントを解説したいと思います。

 

その2へ続く

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1991年生まれ 9歳の頃にランと出会い、栽培歴は既に20年。 多数の品評会・展示会に入賞歴、審査員経験あり。ラン栽培家として、雑誌やTVなどのメディアで活躍。 ときめくラン図鑑の著者として、ランを身近に普及する活動に取り組む。

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