“鉢を捨てよ町へ出よう” 〜ぼっち的らん展ルーティン〜
皆さん、こんにちは。この度も私のコラムに足を止めて頂いてありがとうございます。
未曾有の春夏もあっという間に過ぎ去り、秋はログインしていたのか怪しい程の一瞬、そして気が付けば肌寒く、コーヒーの自販機の”あったかい”を押すたび心に灯がともる(@広瀬香美)季節となりました。
さて、冬と言えば蘭の季節!各地でらん展の開催です。2020年はコロナの影響で開催が厳しいらん展もありますが、間もなく訪れるアフターコロナの世界では再び盛大ならん展が催される事でしょう。
今回のコラムでは、らん展ぼっち参加のエキスパートである私がらん展の楽しみ方に付いてお伝えさせて頂きます。それではどうぞ!
この記事の目次
らん展がやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
ではまずらん展について簡単なご紹介です。
晩秋から初春に掛けての蘭シーズン、各地でらん展が開催されます。
TOP OF TOPは、毎年2月(今年は3月)に東京ドームで開催される世界らん展。こちらは愛蘭家にとっての聖域(サンクチュアリ)、一生に一度は詣でたいらん展です。普段はめったにお目に掛かれない見事な花や株が展示に溢れ、育成のモチベーションが上がる事間違いなしです(素晴らしい株を見ることは確実にモチベーションアップします!)。
更にらん展のお楽しみと言えばらん屋さんでのお買い物!こちらのらん展にはそうそうたる面々、黄金聖闘士クラス(最新で言うなら柱)のらん屋さんが集結しますので、丸一日ではハッキリ言って足りません!何度も行きたくなるらん展です。
人混みが苦手、そんなあなたは1月にあるサンシャイン蘭展はいかがでしょうか。こちらも世界らん展に負けず劣らずの非常に素晴らしいらん展です。
また地方のらん展もいいですね。関西では、関西らんフェスタ、神戸らんフェスタが開催されるのもこの時期です。また園芸店で洋らんフェアがあったり、植物園で洋らん特集展示が行われたりととにかくイベント目白押し、愛蘭家にとって一年で一番心躍るシーズンです。
しかしながらこういったイベントは世の中の媒体やWEB告知が多くないため「気が付けば終わっていた、、」なんてことが自分の経験でも結構あります。そうならないように、イベントのページをどうぞブックマークして下さいね!自分の好きなことには貪欲に行きましょう。
イベントのスケジュールが立てられたら、いざ出陣!次は自分が思うらん展の楽しみについてです。
求めよさらば与えられん
らん展の楽しみその1は、素晴らしい展示株を見る事が出来る事!
普段SNSで見ていいなーと思っていた品種や蘭の本でしか見た事がないような品種がたくさん展示されています。見て楽しいはもちろんなのですが、香りを嗅ぐ事が出来る事も大きな魅力。これはバーチャルの世界では出来ない楽しい事ですね。SNSなんかだとこれは〜の香りです、って咲かせた方が表現されたりしていますが、すごーく気になりますよね。
特に私は匂いフェチで少しこじれた香り(墨とか革とか)が好きなんで蘭の香りは興味津々、らん展に入った瞬間から香るあの独特の香り(色々な蘭の香りが混じった香り)は嗅覚や視覚を刺激して、セブンセンシズが目覚めそうになります。
そして一番面白いのは仕立て方、植え方が見られる事です。
ネットのブログやSNSでは花は見られても株や植え方は見られない事が多いのでその点を見られるのはとても面白く、勉強になります。愛蘭家の世界ってセオリー通りを楽しむ方がいらっしゃったり、守破離の離を離れて宇宙まで飛び出している方がいらっしゃりと非常に幅が広くてとにかく愉快!
「素焼鉢水苔固植」をきっと念仏のように唱えながら作ったのであろう株や、「え、この品種って水好きなはずやのにこの植え方でいいの?(もちろん水遣りなどの工夫があるんでしょうが)」という心の恵美ちゃんによる「ここにミョウガが入るんだー」が心の中で炸裂する株など見ていると早く帰って植え替えしたくなる衝動に駆られる株がいっぱいいっぱいあります。
余談ですが洋らん育成方法はセオリー通りも楽しみ方のひとつのバージョンでしかなく、個人個人自由に楽しむことが出来る、育てる人の自由な発想で完成させることが出来ることが魅力と思っています。だからこそ洋らん趣味は長く続けておられる方が多く、長く続く秘訣はここかなと密かに思っています。
「わー、きれいな花!」ももちろんOK!純粋にその気持ちもすごく大事だと思います。さらにワンモア、個人的にはらん展展示は「どうやって育てているんだろう」目線で見て回ると自分自身がぐーーーっとレベルアップするなーと思っています。
選択すると言う贅沢を満喫しよう
らん展の楽しみその2は、やっぱり販売、物販ですよね!
こちらがメインの方も多いと思います。普段なかなかお目にかかれない珍しい品種が手に入る貴重な機会でもあります。販売の楽しみ方で私がお伝えしたいことはただ一つ欲しいものを買おう!です。
これは私だけかもしれないのですが、蘭を始めたころはらん展前に下調べをしておいた品種や、その場で一目惚れで出会ったりした品種を買う寸前に「育てやすいか」で躊躇してしまい、ワンランク下げた強健種、難易度の低い品種を買ってしまったりってことがありました。でもね、聞いて下さい。
「二番目で選んだ品種が咲く(咲かせられる)とは限らない」
プロ、セミプロと違って私のような初心者はまだまだ全ての蘭を毎年開花させるのは困難。なので一番欲しい株を諦めてランクを下げて買った品種だから必ず咲くとは限らない。
それなら一番欲しい品種を買って、たくさん調べて、たくさん工夫して、そうやって育成を楽しむ方がホント楽しいですよ!これは間違いないです。
そしてもうひとつ、迷い、選択するというのは最高に贅沢なこと。これを忘れずに思う存分骨の髄まで時間の許す限り楽しんで頂きたいと思います。
あると便利、ぼっちのお供
準備大事!事前印刷
スマホを使いこなす若者も油断する事なかれ、人が多い場所はネットが繋がらない事があります。事前共有される物販店の地図や欲しい蘭の情報などはネットのブックマークだけではなく、スクリーンショット、または印刷がしてあるとかなり重宝します。それでなくても「何これ?」が起こるのがらん展、スマホ片手に検索は必須なので事前に分かっていることは見える化しておくことをおススメします。
新聞紙&テープ
これは買った蘭を電車で持ち帰る場合の梱包に便利です。車でスイーっとなら問題ないのですが電車なら花芽や葉を痛めてしまうことが結構あります。また寒さで移動時に花芽がしけちゃうこともあります。らん屋さんによっては梱包して頂けるお店もありますが持参するにしても大した荷物ではないので持参するのがおすすめです。ちなみに関西人なら551の保冷バック(大220円)も持ち運びに便利です。中に保冷剤用のポケットがあるのでここにカイロを。底は柔らかいので段ボールなどを敷いておくのがおススメです。
携帯用非常食
これはただ単に(ぼっち参加の)自分の場合だけなのですが、らん展を丸一日楽しみたいので食事の時間削減のために持って行っています。また場所によっては飲食禁止の場合もあるので、らん展に入る前に歩きながらサクッと食べるのに重宝しています(仕事柄出張移動で食事の機会が作れないことが多いのでそのクセでやっています)。
印象に残る何かを身に着ける
これはプロぼっち向けの上位テクニックなのですが、後日SNSなどで同じ場所にいました、と言われた際に記憶に残っているとその後のコミュニケーションに繋がりやすいです。人間としてのインパクトがあればいいのですが、私は生粋のモブ種なので意識的に他人の記憶に残る何かを着たり身に着けたりしています。もし見かけたら声を掛けて下さいねー。
最後に
いかがでしたでしょうか。
私は洋らん趣味自体は、ひとりで地味にコソコソ楽しみたい!と基本的には思ってやっています。趣味なんだから全力に振り切って楽しみたいし、魅力をつかまえたいと思ってやっています。そのためにらん展に行って色々な刺激を受けて自分自身をアップグレードしています。言うなれば蘭の神様今年もよろしくお願いします、の初詣的な感じとboy meets girl ロマンスの神様この蘭でしょうか?の出会いをミックスした感じです。あと私はぼっち参加が多いですが、お友達とワイワイ行くのも楽しいですよねー。そっちの魅力はきっと皆さまの方がご存じなはず!
それでは今回はこれでおしまいです。らん展に行ってみたくなりましたでしょうか、もしそうであれば私は嬉しいです。
また次回もどうぞご贔屓に!最後まで目を通して頂きましてありがとうございました。