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中藤洋蘭園

蘭と共に駆け抜けた秋。秋の蘭園・蘭展巡り総まとめ -後編-

転載:TOKYO PENTHOUSE

それでは前編からの続きです。

↓↓ 前編はこちら ↓↓

この記事の目次

11/17 中藤洋蘭園 オープンハウス&秋の蘭遊会

中藤洋蘭園

長旅だった国際園芸の翌週は、中藤洋蘭園のオープンハウスと秋の蘭遊会に行ってきました。

中藤洋蘭園は東京都国分寺市にある蘭園で、最寄り駅はJR中央線「国立駅」になります。こちらも駅から離れているので国立駅からバス・タクシーで7分程です。車は高速だと中央道の国立府中ICが最寄りでしょうか。

中藤洋蘭園には私は初めて行ったのですが、東京に洋蘭園はあまり多くなく、都内の愛好家達が良く訪れている蘭園のようです。

実際行ってみると、住宅地のど真ん中にハウスが建っています。ハウスは全部で5~6棟あり、そのうちの1つがセールスハウスで、毎週土曜日に開放しています。

中藤洋蘭園 中藤洋蘭園 中藤洋蘭園 中藤洋蘭園

いざハウスに入ってみると、ワサーッと蘭が所狭しと並んでいます。蘭の他にもチランジアなどもチラホラ。

ちなみに今回のオープンハウスでは「アザブナーセリー」、「奥田園芸」、「ナーセリーイデ」、「福島洋蘭園」も参加していました。

早速温室を見て回ったのですが、種類は多様で、バルボやデンドロなどの原種が多い印象でした。以前に行った須和田農園のように、カトレアやセロジネなど王道の蘭というよりも、マニア受けしそうな珍しい蘭が多くて、どちらかというと植物園のようなイメージです。私も大きくて華やかなものより、小型で変な蘭が好きなので、温室内をくまなく見て回り、リアルに5周はしましたね。(笑)

バルボ狙いで行ったのですが、この時はエリザベスアンやアナンダレイなどが咲いていました。そして前々から気になっていたバルボ・フィソメトルムを発見。しかし予算を大幅に超える値段に断念しました…。

そして実はInstagramで知り合った方と同じ日に行くのでお会いできれば良いですね。という話をしていたんですが、私の勘違いだったりで同じ空間にはいたのですが挨拶できず…。その後連絡を取り合ってサンシャインかドームでお会いしましょうということになりました。(後日バルボの余剰株まで譲って頂いて、その節は本当に有難うございました!)

見に来られていた方々も、いかにもベテランで\俺は蘭の達人だぞ/みたいなおじさん達というよりも、女性や若い世代の方々が多かったように思います。

原種のバルボやデンドロなどの品揃えは凄いです。例えば今まで胡蝶蘭などの普及種を栽培していて、次のステップにちょっと変わった蘭が欲しいなぁなんて方は是非行く事をお勧めします。ホームセンターやお花屋さんに無いものが必ず見つかるはずです。

[Digした蘭]

・ズートロフィオン・アトロパープレウム


中藤洋蘭園ホームページ

11/25 筑波実験植物園 つくば蘭展

つくば蘭展

さてさて中藤洋蘭園の翌週に、11月18日から1週間、筑波実験植物園で開催されていた「つくばらん展」に行ってきました。

今回は蘭園ではなく植物園での蘭展になります。筑波実験植物園へのアクセスはつくばエキスプレス「つくば駅」からこちらもバスorタクシーで6〜10分程。車の場合は圏央道「つくば中央IC」が最寄りのICになると思います。

実は夏にも1度植物園を訪れていまして、もちろん蘭展も楽しみだったんですが、温室を見学するのも楽しみにしていました。しかし…私が行った時はサボテンや多肉植物が展示してある「サバンナ温室」は上の写真を見てもらうとわかるように、ガラスのメンテナンス中で見学できず。残念…。

さて気を取り直して、蘭展を見に行こうと思いますが、温室入り口になにやら”ランの香りのシャボン玉”というのが設置してあって、実際機械からシャボン玉がフワーッと放出されていました。こんな企画もやっているんですねぇ。

つくば蘭展

おおお! やっぱり催事場で開催されている蘭展とは違って、植物の中に展示してあるほうが雰囲気が全然違いますね!心なしか蘭たちも生き生きしてるように見えます。

つくば蘭展 つくば蘭展

あらまぁ立派なワルケの特大株…と思ったら、レジェンドオブオーキッド(勝手に命名) 斉藤正博さんの出展株でした。斎藤さんは全日本蘭協会・つくば洋蘭会の会長さんでもあります。

しかも世界らん展日本大賞を4度も受賞されている、4タイムスチャンピオン

“蘭界のアーネスト・ホースト”

のようなお方であります。下のリンクを見てもらうとわかるんですが、大きな温室をお持ちのようで、もはや個人とは思えない設備で栽培されているんですが、職業はお医者さんらしいです。(納得)

イシイ工業株式会社 お客様紹介 斉藤正博さん

つくば蘭展 つくば蘭展

こちらの棚は入賞株のようです。どれも本当に立派な株ですね!特にこのバルボ・グランディフローラムは花も大きくて迫力が凄かったです。

つくば蘭展 つくば蘭展

こちらは一枚の葉の大きさは世界最大級の蘭、バルボ・ファレノプシスです。「くさい!」とか書かれていますが、(笑) 確かにバルボの仲間はあまりいいニオイとは言えない独特の香りで蝿など虫をおびき寄せて受粉を手伝ってもらいます。

たくあんの匂いがするよ」と書かれていますが、どれどれと匂いを嗅いでみると…

おおお!確かにたくあんのようなニオイがします!

いや〜世界には本当に変な植物が沢山ありますねぇ。

沢山の種類が出展されているんですが、この時期はドンピシャでバルボ・エリザベスアンが咲く季節のようで、本当に多くのエリザベスアンが出展されていましたね。

つくば蘭展

このあたりはワルケゾーン。ミニカトレアの代表のような品種で、小さい株なのにこんな大きな花を付けるので皆さん大好きですよね。ただ咲かせるのは難しい…。

つくば蘭展

さて場所を移し、蘭展の温室とは別の温室に、「筑波植物園コレクション」の世界の珍しい蘭たちが展示されていたのでこちらも見学しました。

普段蘭園でもなかなかお目にかかれない珍しい種類も沢山あって、見応えありました。

ビヨーンと長いリボンのような花を付けるバルボ・プルマタムプレウロタリスなどクール系もあったり。そしてTwitterでもアップしましたが、ホルコグロッサム・ワンギーの花が綺麗だったなぁ〜。今くらいが丁度開花期のようで、もしサンシャインで買えれば育ててみたいです。

それとモンキー・オーキッドでお馴染みのドラクラもありましたよ。自分が下からお猿さんの顔を見てたら、周りのおばちゃんたちも続けてみんな下から覗いてて、その光景がちょっと面白かったです。笑

つくば蘭展

その後も他の温室を見学したりと充実した蘭活デーとなりました。つくば蘭展は1週間の会期があって、私は最終日に行ったんですが、会期中様々な講座や催し物があったようで、どれも参加してみたかったなーと思うものばかりでした。

中でもNHKスペシャル「秘島探検 東京ロストワールド  第1集 南硫黄島」でも放送された、南硫黄島の10年ぶりの調査で、絶滅したと思われていたラン科の植物が再発見され、その調査報告や1年間の研究成果を紹介する講座があったようなんですが、私が行った前日だったので残念ながら参加出来ず…。来年のつくば蘭展では見学だけではなく、興味のある講座があったら是非参加してみたいです。

秘島探検 東京ロストワールド  第1集 南硫黄島

そして、植物園入り口の受付があるホールで業者さんがいくつか出店していました。出店されていた業者さんのリストが無いので記憶にあった所だけですが、「望月蘭園」と「椎名洋らん園」、そして組合で出店されていたブースもあったんですが、失念してしまいました。(秋田の業者さんだったような気がします。ものすごい勢いで肥料をプッシュしていました。笑)

筑波実験植物園はすべての植物好きが訪れるべき所ですね!いつも温室中心に見学するんですが、広大な敷地に他にもキノコなど菌類や、湿地や水生の植物、様々な気候帯の樹木など多種多様な植物を見ることができるので、蘭展じゃなくてもメチャ楽しいので本当にオススメの場所です。

[Digした蘭]

・カトレア(ソフロニティス)・コクシネア

・ジゴパブスティア・マリーアン

(コクシネアを買ったら何故かオマケで貰いました。他の人にも配ってたので持って帰るのが面倒くさかったのかな?笑)


筑波実験植物園

12/1 新宿御苑 第30回新宿御苑洋らん展

新宿御苑洋らん展

さぁ!蘭活月間最後のイベントは新宿御苑大温室で開催された「第30回新宿御苑洋らん展」です。

なんと言っても会場が東京ど真ん中なのでアクセスは最高。新宿御苑は出入り口がいくつかあり、一番大きい”新宿門”の最寄り駅はJR山手線「新宿駅」、東京メトロ、都営線「新宿三丁目駅」、東京メトロ「新宿御苑前駅」。

四谷側の”大木戸門”の最寄りは同じく東京メトロ「新宿御苑前駅」、そして南側の”千駄ヶ谷門”の最寄り駅はJR総武線「千駄ヶ谷駅」になります。

そして大京町交差点に”正門”があるのですが、正門なのに何故かいつも閉鎖しています…。どうやら皇室の関係者が訪れるなど、特別な時以外は閉鎖しているようですね。

ちなみに、新宿御苑に向かう場合はアクセスしやすい駅、門を利用してもらえれば結構なんですが、大温室に行く場合は”大木戸門”が一番近いです。新宿門に比べて人も少ないので、こちらから入場すれば券売機の長蛇の列に並ばずに済みます。

そして車でのアクセスなんですが、都心なので車より公共交通機関で来られた方が無難ですね…。駐車場は近くにもあるんですが、どこもいっぱいで結局遠くに停めることになるかと。

新宿御苑洋らん展

私も初め新宿門から入園しようと思ったのですが、券売機に長蛇の列ができていて、どうせ温室に行くならと大木戸門から入園。並ばずスッと入園できました。入園するとすぐ右手の方に蘭展が開催されている大温室が見えます。

この日は晴天で気温も暖かく、沢山の人が来園されていました。実際蘭展の方も「お、なんかやってるぞ」という感じで蘭好き以外の方々も続々温室に入っていきましたね。

さて、それでは温室に入ってみたいと思います。

新宿御苑洋らん展 新宿御苑洋らん展

入るとすぐにドーン!と巨大なビカクがお出迎えです。

新宿御苑洋らん展

順路は緩やかなスロープになっていて、その脇に出展株が配置されていました。本当に今の時期エリザベス・アンが多いですねー。花にインパクトがあるし、丈夫で咲きやすいので、皆さん育てられてるんでしょうね。セルヌアやワルケも綺麗な花を付けてました。

新宿御苑洋らん展

少し歩くと中程に池と滝が見えてきます。温室内に滝とは凄いですよね。滝の近くには板付やハンギングされたものが多くありました。

恐らく滝の飛沫によって湿度が高いポイントなので多湿環境で育つものはこの辺りに配置されているんでしょうね。滝裏には沢山のバルボが置いてあり、滝の飛沫を浴びて気持ち良さそうです。

新宿御苑洋らん展

滝を過ぎるとまた出展株が展示しているんですが、御苑で栽培されているレリアが今満開の時期のようで、レリアエリアが出来ていました。レリア・アンセプスは長〜い花茎の先に大輪の花を付けるので、それがこう集まってると迫力がありますね。

新宿御苑洋らん展

その後も蘭の展示が続きますが、周りを見渡すと水辺だったのがヤシやソテツが生えていて、その辺から植生が変わり熱帯乾燥地帯のエリアになっていきます。

乾燥地帯のエリアでは大きな金鯱などのサボテンや、吉祥冠などのアガベ、オベサなどユーフォルビア、でっかいオニソテツ(エンセファラルトス・ホリダス)などが育てられていました。

新宿御苑洋らん展 新宿御苑洋らん展

そしてスロープを上がっていくと橋が架かっています。ここがちょうど先程の滝の上になっていて、水が流れ落ちる所を目の前で見ることができます。下を歩いている時は普通の木かなぁなんて思っていたんですが、そこにはでっかいシダが生えていて、橋の上から新芽を見る事ができます。

うーん。すっごい古代感。

新宿御苑洋らん展 新宿御苑洋らん展

おおお!そこを抜けると目の前に

着生の壁が!

かっこいい!この展示方法はなかなか斬新ですよね。壁はおそらくヤシガラだと思われる繊維でできていて、その周りを鉄骨で覆っているようです。そしてその鉄骨に沢山の蘭やシダなどの着生植物を括り付けています。温室が出来てまだ間もないのでまだ着生してないですが、何年か経ったら根が伸びて繊維の壁に絡まり付いていくんでしょうね。

しっかりと着生した時にまた見てみたいです。壁一面びっしり蘭やシダが着生していると考えるだけでワクワク。

こちらも展示株の立派なシクノデス・ワインデライト。タケノコブームを牽引する品種ですね。そしてこのデンドロ.SPは見た事ない花だったけど、キンギアナム系でしょうか?

新宿御苑洋らん展

順路通り進み最後は入賞株の展示コーナーがありました。

どれも立派だったのですが、特に皆さん「わぁ〜」と言っていたのが環境大臣賞を受賞していたレリアの大株でした。レリアは花茎が長いので尚更なんですが、やっぱり株自体巨大で他の株とは迫力が違いましたね。

それと新宿御苑所長賞を受賞していたバルボ・オドラタムも凄かったです。この品種自体がバルボの中でも大型なんですけど、こんなに群生で花を付けているのは初めて見ました。しかもほったらかして大株になったっていう感じではなく、しっかり手入れしているんだろうと見ていて感じました。

それともう一つ気になったのが、最後の写真のワルケの鉢です。ワルケはバルブが横に伸びていくので株より大きい平鉢に植える事が多いんですが、写真のワルケは鉢から飛び出して、仕方ないから別の鉢をくっつけてるんですよね。それとも最初からこういう鉢を作ってから植えてるんでしょうか…?

そして特別展示室には新宿御苑で交配された蘭や、日本で初めて本格的な蘭の温室栽培が行われたのが新宿御苑なんですが、その当時の鉢などが展示されていました。

新宿御苑はまさしく日本の蘭栽培の“始まりの場所”とも言える場所なんですね。新宿御苑が作出した蘭は「シンジュク」の名前が付けられ、スタンホペア・シンジュクセロジネ・シンジュクなどがありました。その他にも皇室との繋がりでセロジネ・メモリア・アイコという名前のセロジネもありました。

ちなみに新宿御苑洋らん展は会場が公共の機関ということもあり、蘭園の即売会などはありませんでした。ただ、出入り口付近に蘭友会の方が座っていて、栽培に関する相談やアドバイスを受けられるコーナーが設けられていました。

新宿御苑洋らん展

新宿御苑の大温室に今回初めて行きましたが、蘭展などイベントがなくても植物好き、蘭好きは楽しめる施設になっていますね。

温室はスペースが限られているので、高低差を付けて様々な植生の植物を色んな角度から見れるという工夫はよくあるんですが、温室内に滝まで作っているのは、私が見た中ではここだけではないでしょうか?それと蘭の温室栽培の発祥の地だけあって、着生の壁は本当に圧巻でした。

例えば神代植物園だと岩壁の窪みに”着生したような雰囲気”でブロメリアが植えられているのは見たことあるんですが、あんなに根が絡まりやすそうな繊維の壁一面に「着生させるぞ!」っていう覚悟が感じられる展示はなかなか無いですよね。笑 一度着生させたら撤去するのは難しいでしょうし。

この日は先程も書いた通り本当に天気も良く、新宿御苑は多くのファミリーやカップル、外国人観光客などで賑わっていました。御苑全体が平和な空気が流れている感じで、沢山の蘭も見れたしとても充実した1日を過ごすことができました。

まとめ

いやーザーッと振り返ってみたんですが、かなりのボリュームになってしまいましたね。そのおかげで年を跨いでの更新となってしまいました…。

沢山の蘭園を巡ってみて思ったのが、やはり品揃えや栽培環境を見ることで各蘭園のこだわりというか、ポリシーみたいなものがなんとなくわかってきますね。この品種に力を入れているんだろうなとか、珍しい品種を揃えて差別化を図っているんだろうなとか、園主はこれが好きなんだろうなとか。それと各蘭園の醸し出す雰囲気もそれぞれ違っていて、それは園主の人柄などもあるんでしょうが、通うお客さんの客層によっても変わるんだろうなと感じました。

もう一つ感じたことは、サンシャインなど展示場で開催される蘭展は、蘭が机の上にポンと置いてあって、「はいどうぞ見てください。」って感じなんですが、筑波や御苑のように他の植物の中で展示されている蘭展は見応えもあるし、風景と馴染むというか、自分たちが育てている植物も自然の一部なんだと改めて感じさせられました。

主催者側にとってアクセスのしやすさや集客の事も考えなければならない要因なのでしょうが、もう少し展示方法に一工夫あってもいいのかなとは思います。その工夫次第で私のような次の世代の愛好家たちが増えていくんじゃないのかなとも思いますね。

そんなこんなで若干燃え尽きた感はあるのですが、初めに書いたようにこれからサンシャイン、ドームと蘭好きにとってはビッグイベントが控えているので、結局は年が明けても蘭を追いかけていくんでしょう。

2019年は、前々から準備していたサイトも発表できればいいかな…と考えています。せめてドーム前にはお見せできればベストなんですがね。

それでは本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

掲載日:2019-1-9
※TOKYO PENTHOUSEからの転載記事です。元記事からリダイレクトしています。

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