TOP
バルボフィラム・ロビー

“神のデザイン、自然の造形美” バルボフィラム属の魅力 〜出会い編〜

 

こんにちは。前回の記事をご覧頂きましてありがとうございます。今回は私の大好きな蘭、バルボフィラム属(以下、バルボフィラム)についてお話させて頂きます。

蘭を既に育てている方はバルボフィラムと聞くと奇妙な花を咲かせる、または臭い花を咲かせる属と言うイメージがあるのではないでしょうか。イメージの通りバルボフィラムの花は奇妙な形をしている花が多いです。いわゆる蘭科の五大属と言われる、カトレヤ属・シンビジウム属・デンドロビウム属・パフィオ属・ファレノプシス属は美術品のような美しさを持った品種が多いのでそちらに慣れた方には少しだけ見慣れない感じを受けるかもしれません。

しかしながらバルボフィラムはよく見ていると心にすっと入り込む民藝のような心を落ち着かせる美しさ、生活のそばに寄り添う親しみ感のある美しさ、はたまたコンテンポラリーアートのような芸術性に優れワクワクをもたらす美しい花ばかりなんです。

今回から何回かに分けてバルボフィラムの魅力についてお届けさせて頂きます。まずは私とバルボフィラムの出会い編からスタート致します!

この記事の目次

バルボフィラム属とは

バルボフィラム属(以下バルボフィラム)は蘭科の中でも1000種以上、英語版Wikipediaでは2000種以上と記載されている大家族のグループです。アジアを中心にアフリカ 、南米まで分布しています。特徴は匍匐する茎にバルブが1節出来る事、花は可動性の関節のあるリップがずい柱基部と繋がり揺れ動く事です。実は日本にもムギランなど6種が存在しています。

うれしい!たのしい!大好き!/バルボフィラムとの出会い

バルボフィラムとの出会いは忘れもしない5年程前の、とある蘭展です。その頃は蘭を好きになったばかりで蘭ってたくさん種類があるからどんなのがいいのだろうか、自宅の環境ではどれが育てられるだろうか、とワクワクしながら蘭屋さんや蘭展を巡っていました。ホームセンターや園芸店だけではなく蘭屋さんで買うようにはなっていたものの、まだ全く知識はなく、ただただ花や株姿を見て好きか、そうでないか、を決めて買っていた頃でした。

そんな時、ある蘭展に行きました。いつも通りふらふらと蘭を眺めている時に、ふと黄色い花が目に止まりました。見た瞬間に、バルブの丸い姿、シュッとした葉っぱ、兜のような面白い形をした花が目から脳に響いて、好き!ってなりました。その出会いはスローモーションで覚えています。売り場のどの位置に鉢が置いてあって、自分がどこに立って花を見ていたのかを今でも鮮明に思い出せます。正に軽い目眩を誘うほどの衝撃でした。(若者は♪スローモーション@中森明菜を検索してね)

そこにすかさず園主のセールストークが刺さります。これはバルボフィラムのロビーと言う種であること、花弁の基部が蝶番のようになっていて風でぺこぺこ揺れて花粉媒介者(ポリネーター)を誘うこと、バルボフィラムの中では日本での栽培歴が古く比較的丈夫であること…よっぽど衝撃的だったんでしょうね、これまた園主さんがどこに立たれていたか、どんな話しをしたのかもハッキリと覚えています。それまで蘭を探す基準のひとつに「我が家の環境で育てられるか」があったのですが、「これが育つ環境を準備しよう!」に意識が変わりました。(後に準備しなくてもそのままの環境で育てられる事が分かりました)。気が付けば鉢(花は開花見本だったので花無しの小苗)を買ってました。

家に帰りバルボフィラムについて夢中で調べました。蘭の本を少し持っていましたがあまり載ってません。こうなればネットサーフィンです。当時はまだジオシティーズやヤフーブログがあったので古参の愛蘭家のホームページを検索しまくりました。電子の海には私の知らないバルボフィラムがたくさんありました。このロビーをうまく咲かせる事が出来たら他にも手を出してみよう!ホームページをブックマークしたり印刷したりしながら気になるバルボフィラムをチェックする日々が始まります。

気が付けばバルボフィラムに夢中です。ネットで見る多種多様なバルボフィラム達はまるで子供の頃初めてファミリーレストランで見たメニュー表のようでした。ハンバーグもカレーもスパゲティーも何を見ても素敵!こんなにも美しい造形をした植物が世の中にあったんだ!とにかく感動しました。

毎日がとても楽しくなりました。知れば知るほど夢中になります。ここ最近夢中になった事ってあったっけ?それなりに心が動いて買い物や行動はししているけど……昔は好きな人や物が多すぎる人だったのに!忘れていた!

私の中でドリカムが鳴り響きました。やっぱりそうだ、巡り会えたんだ、ずっと探していた人(蘭)に!(うれしい!たのしい!大好き@ドリカム)

…いかがでしたでしょうか。以上が私のバルボフィラムとの出会い編となります。コラムを読まれた後はぜひバルボフィラムで検索してみて下さい。あなたの知らない世界がそこにはあります。次回はバルボフィラム魅力、神のデザイン編をお届け致します。

RECCOMEND

蘭栽培歴5年、関西の一軒家で温室を持たずに蘭を育てている愛蘭家です。バルボフィラム属を中心に中温性の蘭と暮らしています。

Post a Comment

CAPTCHA