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“神のデザイン、自然の造形美” バルボフィラム属の魅力 〜魅力編〜

画像出典:Kuo-Chu Yueh

この度も私のコラムに足を運んで頂いてありがとうございます。前回は私とバルボフィラムとのオラワク(オラわくわくすっぞ)な出会いについてお届けさせて頂きました。毒にも薬にもならない誰得なお話を聞いて頂いてありがとうございました。今回は私がバルボフィラムにハマった理由【バルボフィラムの私が思う魅力】についてお届けさせて頂きます。それではどうぞ!

この記事の目次

神のデザイン、自然の造形美

あなたがもう一種人間を作るならどんなデザインにするか?

これは私の「妄想リスト」に入っているテーマのひとつです。昔読んだ漫画「火の鳥宇宙編」の動物や「漂流教室」の未来人類の影響で基本的に仕事中は未来生物を妄想しています。けれども結局私の脳みそでは何処かで見たことがある、そんなデザインしか生み出せないんですよね。

そんな凝り固まった頭に吹き込んだ一輪の風、それがバルボフィラムです。前回のコラムで私とバルボフィラムとのビビビ婚についてはお伝えしましたが、まー本当に知れば知るほどバルボフィラムの美しさは惚れ惚れしますね。

正に【神のデザイン】、想像の上ではなくて想像の斜め上をいくデザインばっかりなんです。前回のコラムでバルボフィラムはリップが蝶番になっていて風でピコピコ揺れると書きましたが、生物デザインでそんな発想出てきますか?詳しくは後ほど見て頂くとして、それらが地球の何処かの森の中ではひっそりと咲いてるんですよ。「不思議の国のアリス」であったり映画「うる星やつらBeautiful Dreamer」の世界、初めてスペシャワーTVで海外のMVを見た時のような衝撃!熱がある時の夢の中のような世界です。そんな美しい植物が人間の手によって生み出されたのではなく、自然と生まれたのですから自然の造形美は本当に恐ろしさすら感じます。

余談ですが、美しさと言えば、バルボフィラムの花を表現する方法として【奇妙な】【ユニークな】って形容詞が付けられがちなんですが、令和の時代に何言ってんだか、と思ってしまいます。王道の欧風カレーも「美味しい」だし、スパイスカレーも「美味しい」ですよね。スパイスカレーを「奇妙な美味しさ」なんて令和どころか平成でも言わんわ!って気持ちで内心つっこんでます。

思いっきり横道にハンドル切ってしまいましたが、何が言いたいかと言うと私はバルボフィラムを知って【多様性】と言うものを本当に理解する事が出来ました。また同時に【美しさは測る事が出来ない。自分が美しいと思ったり心動かされたものは誰に遠慮する事なく楽しもう!】って心の底から思いました。体の成長はとうの昔に終わりましたが、心はいくつになっても成長させる事が出来るんです。
さ、前置きが長くなりましたが、いよいよ次は私が惚れた魅力的なバルボフィラムの品種を紹介致します。

惚れたぜ乾杯!魅力的な品種紹介

それではいかれたメンバーを紹介するぜ!

石豆蘭屬 Bulbophyllum medusae [香港沙田洋蘭展 Shatin Orchid Show, Hong Kong]

Bulbophyllum medusae

まずはこちら。名前の通りギリシャ神話にあるゴルゴン三姉妹、メデューサを思わせる風貌。白髪を振り乱しているような姿は鬼気迫る美しさがありますねー。まるで難破船を歌う中森明菜のようです。

Bulbophyllum lepidum

Bulbophyllum lepidum

こちらは打って変わってかわいいタイプ。バルボフィラム属に統合された旧Cirrhopetalum属は1本の花軸に複数の花が付いて、菊の花のように丸く円弧を描いて咲くのが特徴的です。これは原種ですが、交配種’Daisy Chain’はまさに ひな菊のように咲いて、かわいらしさにほっこりします。国民の妹的ポジション。

Bulbophyllum sp.

Bulbophyllum sp.

ブドウの房のように咲く品種もバルボフィラムのお家芸。画像はsp.ですが赤茶っぽいtricorneやcareyanumなんかもあります。覚えておきたいのはピンクタイプ(lilacinum)だけいい香り。他は魚介の香りがします、要注意。特に茶系は瓶ウニの香りがします。日本酒もしくは白飯とどうぞ。

Bulbophyllum bicolor_06

Bulbophyllum bicolor

ストライプにドットを合わせるバルボ界のファッショニスタ、ビカラーはどうでしょう。写真ではセパル(一番上の花弁)はストライプですがそこがドットになっていることが多いです。大内順子先生に評論して頂きたい逸品。大内順子先生亡くなられましたね、、、「ファッション通信」と「兼高かおる世界の旅」は私を家から外の世界に連れ出してくれた番組です。

Bulbophyllum falcatum 'Standing Tall' AM/AOS_04-08

Bulbophyllum falcatum

旧Megaclinium属もバルボフィラム属に統合された属のひとつ。花茎が平べったくてそこの両側にちっちゃな花が咲きます。平べったく立ち上がった花茎はまるでコブラの鎌首のようで別名コブラオーキッドとも呼ばれています。昔の人はネーミングセンスありますよねー。(個人的にはアガベの事を竜舌蘭というのが空想が効いていてかっこいい!)

[Philippines] Bulbophyllum romyi B.Thoms, Orchids (West Palm Beach) 84: 631 (2015)

Bulbophyllum romyi

この手のタイプもかっこいい。YOUは何しに地球へ?と聞いてみたくなるデザイン。エヴァンゲリオンのエントリープラグに見えてきます。

 

あー!キリがない!辞書の厚みでお届けしたいのですが止まらなくなってしまうのでこの辺でやめておきます。どうぞお時間のある時にgoogle先生に【bulbophyllum】と聞いてみて下さい。本当に別の星の生命体と言われても違和感がないほど、不思議で魅力的な花が玉手箱のように出てきます。

バルボフィラムと聞くと「あぁ、あの変わった花か」と思われると思いますが「変わった」とひとえに言っても1000種以上いてるんです!しかも上記の品種は温室のない自宅でも咲かせることが出来るんです!すごいですよね。ぜひご自宅へお迎えしてみませんか?(アンミカテレビショッピングの口調で)。

何を育てるかではなくどう育てるか

ごくごく一部の紹介ではありましたが、バルボフィラムがいかに多様で美しい花かを知って頂けたかなと思います。これを読み終わった後には「バルボフィラムちょっと気になる。。。」と思って頂けるとおじさんは嬉しいです。蘭のマスター達は分かって貰えると思うのですが、植物に興味を持ち、蘭に興味を持った後何の属をメインで育てるかでその後の蘭ライフが少し変わりますよね。それはまるでハリーポッターの組分け帽子のよう(ちなみにパフィオはスリザリンじゃないかと思ってマス)。バルボフィラムを選んだあなたには面白く愉快な世界がその後に広がることをお約束します。(とは言え、蘭どころか植物趣味自体がもう底なしに面白い、9と3/4番線ホームの向こう側の世界なのですが)

さて、今回の最後に私はひとつお伝えしたいことがあります。それは【何を育てるかではなくどう育てるか】

多様な品種を紹介しておいて矛盾しているように思われるかもしれませんが、多様で品種が多いからこそ集めることが目的になってしまうともったいないよとお伝えしたいです。集めたくなる趣味はどうしても「何を」に引っ張られがちです(それもひとつの楽しみではありますが)。バルボフィラムが多様ということは個性豊かということ。ひと株ひと株に向き合ってどう育てるのが最良か(結果すべてが同じ育て方になったとしても)考えて考えて考え抜く時間は、私の場合集中して無心になる写経の時間です。そこからただのバルボフィラムのひとつの品種から自分だけの、自分だけを楽しませてくれる癒しの品種へと変化します。とにかく花を咲かせる育て方なのか、株姿自体を楽しむ育て方なのか、株姿は自然風のワイルド?それとも整えた美しさ?買ったままなんとなく育てるなんてもったいない!!そして蘭展や即売会があれば是非とも足を運んでみて下さい。「えー!こんな育て方で咲くの?」や「これ真似したい!」など「仕立てる」以上の育て方がそこにはあります。(上〇恵美子でいうところの「ここにミョウガが入るんだー」です)。

あなたのこれからの人生のスパイスに、ぜひともバルボフィラムをお試しください!

 

さあ、最後を真面目でしめちゃいましたが。この度も最後までご覧頂きまして誠にありがとうございました!お楽しみ頂けましたでしょうか?それではまた次のコラムでお会いしましょう!今後も御贔屓の程、どうぞ宜しくお願い致します。

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蘭栽培歴5年、関西の一軒家で温室を持たずに蘭を育てている愛蘭家です。バルボフィラム属を中心に中温性の蘭と暮らしています。

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