ORCMAG VISIT -僕たちの蘭園訪問記- Vol.2 村上園芸@DCMダイキ
皆さん、こんにちは!この度も私のコラムに足を止めて頂いてありがとうございます。
今年もまた酷暑だそうですね。地球温暖化で暑くなるのなら、なぜ冬が暖冬にならないのだろうといつも思います。
さて私のコラムでは今回も蘭園訪問記(ORCMAG VISIT)をお届け致します。
第二弾は「村上園芸」さんです。
西日本を中心に展開されているホームセンターDCMダイキさんで展示即売会をされています。
西日本在住のORCHID LOVERSは一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。
私に蘭の奥深さを教えてくださり、バルボフィラムの扉を開けてくださった方です。
それではどうぞ!
この記事の目次
蘭園紹介(村上園芸さん)
「村上園芸」さんは愛媛県松山市の蘭園さんです。
1500坪の農場に多数の温室があり、日本でもトップクラスの種類と在庫をほこります(DCMダイキHPより)。
(農場については、こちらをご覧ください)
西日本のホームセンターDCMダイキ(の京都宇治から熊本までの一部店舗)で週替わりの蘭の即売会をされており、水曜日から日曜日までお正月以外年間お休みなく社長自ら4tトラックで移動し設営接客販売をされるスタイルを続けられています。
創業は平成元年とのことで社長が起業されてから32年なんですね、すごい!
元々はえびねからスタートされ、東京の世界らん展へも何度も出店されて賞を取られています。大阪の花の万博(通称花博)ではえびねで大きな賞も取られたとの事で、これまたすごいですねー!またパフィオではJOSでGM、年間最多数賞などを取れている経歴をお持ちです。
そんな中、DCMダイキの前会長さんから声を掛けられて現在のホームセンターでの展示即売会の販売スタイルが始まったそうです。
それでは、さっそく展示即売会を覗いてみましょう!
蘭園(展示)の見どころ
村上園芸さんは前述の通り、DCMダイキ内の一部エリアをお借りして設営展示即売をされています。写真でも奥にホームセンターの販売が見えますね。そのため、特徴としてまずは交通の弁が良く駐車場駐輪場がしっかりとあって非常に行きやすいのが上げられます。次に園芸に必要な用品を一緒に買えるので非常に便利です。しかもホームセンターの在庫量なので鉢なんかはまとめ買いも出来ちゃいます。個人的にはオリジナルのDCMブランド商品が優秀なので行ったら必ず一緒に色々買ってます。
それでは村上園芸さんをもっと詳しく覗いてみましょう!
村上園芸さんの魅力のひとつは圧倒的な物量がまず挙げられます。このスペースにこんなにも!は初めて行った方ならまず驚く内容だと思います!しかもある程度のジャンルで分かれてはいますが、キッチリと分かれていないモノもあり思わぬ掘り出しモノが見つかりますよー!
洋ランがいっぱいありますねー。
富貴蘭、長生蘭もいっぱいありますよー。
DIGしていると時間はあっという間に過ぎます。
しかも棚だけではないですよー。
見上げれば吊り物が盛りだくさん!
季節によって、バンダや下垂デンドロなど様々に移り変わります。バリエーション豊富な村上園芸ならではの魅力です。
棚下もしっかりと見ましょう。
こちらにはシダやカンアオイなどの山野草系が盛りだくさんです。
おっと、棚をよく見直しましょう。
洋ラン、富貴蘭、長生蘭、だけではありません。ヤマアジサイや多肉植物も季節によってはたくさんあります。
村上園芸さんはオリジナルの実生が豊富なのも楽しい!花を見て好きな株を選ぶ事が出来るのは嬉しいですね。時期が合わず写真はありませんが、パフィオと下垂デンドロの実生は本当に面白いのがモリモリにありますよ!
すんごいかわい子ちゃんも混じってます。
面白いもの気になるものがいっぱいで、行くときはサングラスでもして目を曇らせないと物欲がはち切れそうになります。
この写真だけでお腹いっぱいになりますね!あー!また行きたくなってきました!
蘭園(展示)の魅力
いかがでしょうか、写真を見ているだけで行ってみたくなりませんか。
村上園芸さんはリピーター様が多い事でも有名ですが、その魅力は何か??について考えてみました。
村上園芸さんの魅力はズバリ!接客にCISが詰まってるからだと思います。
CISとはCustomer Impressive Satisfaction=顧客感動満足の略です。
近年色々な企業がこぞって取り入れられている、魅力ある接客を行うための新しい概念のひとつでこれまでのCS =顧客満足の上位互換概念です。CISのある接客=お客様の満足度が高くリピートが高いと言われています。
村上園芸さんでは行く度にこのCISを感じるのですが、ではどう感じるのか?
CISは3つの要素から出来ていると言われています。
まずは「プロの技」です。
こちらは社長とお話しした方はご存じと思います。洋ランや日本のランについてはもちろんのこと、古典園芸・山野草その他の取り扱われている植物の知識幅が広く深く半端ないです。どうやって記憶しているのか本当に不思議になってしまいます。そのため(ホームセンターで地の利がいいということもありますが)即売会を見ていると顧客様が自宅のランを持ち込んで社長に相談アドバイスを貰っている光景を何度も目撃しています(自分もしています)。実際に植物を見てのアドバイスなのでとても的確で、「よし!もう一度頑張ろう!」って気分になります。
もうひとつは「サプライズ」。
圧倒的な物量から繰り出される多種多様な品種はもちろんなのですが、即売会を見ていると社長から「こんなんどう?」的なイベントが必ず発生します!これはその時のおススメを言われる時もあるのですが、だいたいはその方の管理環境や好きなジャンルをヒアリングされてから提案されているからでしょうか、結構な頻度でツボだったりします。(自分だったら「バルボが上手く育つならこれどう?」的な感じでアプローチされて「あー、それ気になってました」だったり「それってなんですか?(へー、育ててみたいなー)」だったりします。)
これって現代で言えば、ネットのアルゴリズム(これを好きな方の傾向はこっちを好きな人も多いです)に当たると思うのですが、実際の店頭ではちょっと違うんですよね。だってよく(「え?これ?」)ってなるから。でもおススメ頂いたのをスマホで調べてみると(「おっ、面白そう!やってみよう!」)ってなるのです。
これはお客様とお話しし、お客様の情報を根拠に提案しないとサプライズにならないですし(ただのポカーン)、単純にこれ好きなひとはこれが好きなんだろうなでは追いつけない感覚に思います。
なんと言いますか、アルゴリズムの先にあり、同時にアルゴリズムでは永遠に追いつけない想像を超えたサービスだなあと毎回思っています。
そして村上園芸の1番の魅力でありCISで1番重要な要素は・・・!
園主村上社長の「ホスピタリティ」溢れる「お も て な し、おもてなし!」の接客に尽きると思います!
もうこれは行った方ならお分かり、村上園芸さんのファンの方が皆様口を揃えて言う、村上社長のお人柄です。
皆さんこのお人柄に惚れていますよね!
モノ消費コト消費の時代は終わりヒト消費の時代である、という令和の消費マインドが体現されていると感じます。
長い、長いですがあとふたつだけ上記の視点と違う魅力についてお付き合いください。
今回お話しを伺うにあたり、展示即売会の設営撤去のお手伝いをさせて頂きました。
(ここからアレが組みあがります!ほとんどの店舗では社長おひとりで組まれています!)
そこで更にふたつ、村上園芸さんの魅力を感じました。それは、まずは「見にくさ」「探しにくさ」(いや、見やすく工夫されていますよ!)
前述でDIG(レコードを漁る行動)と書きましたが、この植物をDIGって面白いものを見つける魅力ということは分析してみて自分的に結構衝撃なんですよね。なぜなら現代で一般的に実店舗に求めらえる共通点は「見やすさ」「分かりやすさ」だと言われているんです。これはDCMダイキさんが対極なのですが入った瞬間に欲しいモノの場所が分かり見つかる。
現代は、気になることは検索サイトでピンポイントで検索し、動画は1.75倍などで観ることがスタンダード。
(ちなみに動画慣れした若者は倍速で観るため普段の会話がゆっくりでかったるく感じるそうです、本当?)
そんな現代人にとってどこに何があるのか一瞬で分からないお店はストレス!でも村上園芸さんはその逆!
けれどもその先にある「見つけた」「選んだ」という選択欲が大いに満たされる。
効率化のによる楽に見つけらえる満足の逆に位置する、発見する感動!それが村上園芸さんにはあると感じます。
そして村上園芸の真の魅力、それは社長の植物への愛情です。
これは設営撤去の際に社長がランに対して「家族みたいなもんやから」と仰っていました。
愛情を持って自分が取り扱うものに関わる、これは全ての人にとって必要でハッピーに生きる秘訣だと常々感じています。
社長自身がラン(植物)に対する根本的な愛情、ランが好きという気持ち。好きなことを生業にされて、しかも起業されて32年も続き持ち続けられている気持ち。これが村上園芸の本質で最大で最強の魅力だと思います。
最後に
最後までご覧頂きましてありがとうございました。
酷暑に負けず劣らずのねちっこい内容になりましたがいかがでしょうか。
世の中はまだまだ厳しい状況が続いています。そんな中ラン達を見ていると、与えられた環境の中で最善を尽くすためにあっちに根を伸ばしこっちに新芽を出しと、動けないからこそ環境に耐えてじっと我慢するのではなく、考えに考え抜いて行動しているのだなと胸が熱くなります(やばいひと)。
こんなご時世ですから人込みは避けて頂いて、ちょっと面白いランをホームセンターの日用品買い出しついでに見てみませんか。そうして頂けると嬉しいです。(ホームセンターなら緊急事態宣言でも開いている!開けてくださる従業員の皆様に感謝です!)
それでは今回はこれでおしまいです。
また次回もどうぞご贔屓に!最後まで目を通して頂きましてありがとうございました。
DCMダイキ様
村上園芸様
いつも素敵な展示会をありがとうございます。この度は取材へのご協力をありがとうございました。
これからも楽しみにしています!
洋蘭園の住所・連絡先
ウェブサイトやSNS情報
DCMダイキホームページ: https://www.dcm-hc.co.jp/daiki/
村上園芸・洋ラン展(園芸イベント)情報: https://www.dcm-hc.co.jp/daiki/event/garden/