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洋蘭 書籍

わたしの北極星 〜コロナ禍を乗り切ろう!巣ごもりをカスタムする魅惑の蘭本の世界〜

 

皆さん、こんにちは。この度も私のコラムに足を止めて頂いてありがとうございます。

間もなく2020年が終わろうとしていますね、今年は正直コロナ以外の記憶がほとんどありません。

記憶はほとんどないですし、まさかこんな世の中になるとは、、、と気持ちが滅入ることも多かったのですがその反面、個人且つインドアで楽しめる蘭趣味に出会っていた自分、マジで天才!と何度も自画自賛しておりました。

いやホント蘭がなかったら確実にメンタルやられてましたね。特に緊急事態宣言期間で一切外出しない時はまるで火の鳥の八百比丘尼のように(火の鳥例え多め)仕事→休憩→仕事→休憩→蘭、、、と閉じた時間で暮らしていましたがホントに最後の(→蘭)があったから乗り切れました!毎日蘭と向き合って暮らしながら、改めて蘭が大好きなことに気づけて心穏やかになりました(愛は心の仕事です@ラ・ムー)。

そんな中ふと思ったのは、ここ何年かは守破離の守破を忘れ離の気持ちで、自分なりの工夫やとにかく沢山咲かせたい!だけに重きを置いて育てるマインドになっているなあと感じました。

そのため初心に帰ろうキャンペーンを行い、これまでに集めた蘭の書籍(本・雑誌)を夜な夜な読んでいましたが、なんというか人生ゲームで跳ばしたコマを改めてじっくり読む感覚に似てました。

蘭を始めた頃、当然のように疑問やわからないことはWEBを検索していました。ただWEBはピンポイントで探すのには最高に便利ですが、思いがけない出会いや気付きは少なく、物足りなくなった私はいつしか蘭の書籍集めがライフワークのひとつにもなっていました(出張族なので色々な土地の古本屋さんを覗いてました)。WEBとは違う不思議で魅力的な紙媒体の世界

今回は集めた書籍の中から、忖度なし!おススメの書籍をご紹介します!それではどうぞ!

この記事の目次

スグわかる&使える ハウツー本

Hoot-dog PRESS世代としてはマニュアル本、ハウツー本は外せません。特に植え方は写真付きで掲載されており、茶室でのお点前を見るようで楽しい!あり方・やり方を知りたい時はもちろん、お休みの日に、お茶のお供に、お酒のアテに、仕事の合間に、、あるべき姿の再確認は大事です!

別冊NHK 趣味の園芸 洋ランの育て方完全ガイド

まずはこちら!私のバイブル!私の北極星!

この本なくして私の蘭活はありえません。迷った時私の道を明るく照らし導く光です。ちなみに1冊目は読みすぎて使いすぎて濡れたりしてベコベコになったので買い直し、タグ付けテープ補強して(松本大洋SUNNY)愛読熟読しています。

ちなみにバルボフィラムの育て方は載っていません。ただヒントになることが載っていて(一行だけ)結局はそうゆうことか!と膝ポンして今に至っています。困った時、物思いに耽る時、私はこの表紙を取り出します。

やさしい洋ランの育て方事典

こちらは上記に比べて写真多め、品種紹介多めです。見ていて楽しく勉強になる本。文字があまり得意ではない方も読みやすいと思います。紹介されている品種は花期・花径・株高・特徴に加えて、温度・湿度・日照まで記載されている丁寧っぷり。

いま買うべき!おススメ蘭本

ここ数年は蘭書籍の発刊は少ないのですが、だからこそ濃縮還元、輝くキラ星ばかり!ハウツー本を卒業したらこちらです!

ときめくラン図鑑 清水柾孝王子 著

こちらでコラムを書かれている蘭王子こと清水柾孝さんの著書。

忖度なしにおススメです。愛と熱意に溢れる文章は読んでいて血が沸きます。蘭のお話、品種紹介、エピソード、どこを切っても面白い。この厚みでは物足りない、辞書の厚みで読みたい!

またここに載っている品種はどれも面白そうで、蘭展に行ったら探す品種リストにピックアップしています。あと重要なのが、基本的に自分はやさしくない人種なので、王子の人柄を感じさせる心穏やかな文章に癒されます。

洋ラン大全

こちらは日本洋ラン界の名だたる方々が執筆されています。

図鑑の項目は「プロ・ベテラン愛好家がすすめる優良花&原種系のラン」など面白く分けられています。また蘭博物館があったら展示されるであろう「日本の洋ラン界の歴史と各団体の歴史」だったり「洋ランの学名について」など、非常に読み応えのある内容となっています。お値段がかわいくないのですが、蘭にハマった方なら間違いなくお値段以上の価値がある内容です。

育てて愉しい蘭の本 斉藤正博著

世界らん展日本大賞を4度も受賞された完璧超人、超絶大株作りの斉藤氏の著書です。

あの魔法がかかったような超絶大株(本の表紙のような)を作る秘訣(読んでも私は真似できない)やそれをどうやってドームへ運んだかの裏話だけではなく、蘭を巡る個人的なストーリー、さらにはSeedpotの小島さんによる蘭の育て方ガイドまで付いたお得な一冊。

栽培環境は凄すぎて私は参考になることは何もないのですが、蘭の個別管理表を作るなど独自の取り組みがとても面白い内容です(その意識が崇高すぎる、、)。他の方の栽培状況を知るのって面白いですよね。

魅惑の蘭事典

須和田蘭園:江尻宗一氏が日本語版監修を行われた本です。

クラッシックで重厚な装丁に合わせて小口金付けも施された高級感ある一冊。内容は蘭にまつわる話と属紹介がまとめられていますが、この属紹介に付いているボタニカルアートが美しい!(表紙にちょこっと見えてる絵)。厚みがあって自立出来るので我が家では気になるページを開けてクリップで止めて棚に置いて日替わりで絵を楽しんでいます。持つ喜びを感じる本です。

大人の絵本、図鑑の世界

世界のラン大図鑑

こちらは600種を網羅した現行で一番大きな蘭図鑑(と思う)です。

土曜サスペンスなら凶器になってもおかしくない重厚感!(厚みを測ったら5センチありました)。図鑑と呼ぶには写真は花の拡大写真のみなので好みが分かれると思いますが、分布や花期だけでなく、生育場所(例:常緑樹林や落葉樹林の露出した石灰岩の上)が載っていることと、他にはないストーリーのある説明(例:Blubophyllum lobbii ならイギリスの植物学者トーマス・ロブにちなむ、など)が魅力的です。

原種洋蘭大図鑑

唯一無二の原種図鑑、眺めて楽しい図鑑の鑑です。残念ながら廃盤のため値段が高騰していますね、、
掲載写真は背景紙の前で撮っているので見やすく、特徴に加えて栽培温度が書いてあるのが分かりやすい!。
おススメポイントは2点、香りについての記載(ありなし弱いなど)があることと株姿のイラストが描いてあること!

見ているだけで経験値があがるような不思議な魔法書です。

洋ランポケット事典

かなり幅広く属が載っています。それぞれの属は有名品種が載っているので基本の基として、とても勉強になります。
おススメポイントは交配種も多く載っていること。
1999年発行のため現在は見かけない交配種も多いですが、往年の名花を知ることが出来る貴重な資料です。
こんなのが流行っていたんだ~とニヤニヤしながら眺めています。

世界の蘭 380

アジア、中南米などエリアに分けた掲載が特徴的な図鑑。
そのためバルボフィラムもアジアとアフリカの両方で掲載されています。
調べるツールとして使うのは難しい本なのですが、例えば我が家ではやっぱりアジア系が上手く育つので
「あ、これアジアか。それならいけるかも」という気付きに繋がります。
写真は自然な背景が多く、自生地を想像出来てそれも楽しいです。

古参の叡智!NEW ORCHIDS(古本)

現在は廃刊になってしまった、伝説の蘭雑誌「NEW ORCHIDS」。

新品種紹介や育て方、イベント紹介はもちろんのこと、座談会や自宅温室訪問など魅力的な企画も多くてコツコツと集めています。本は絶版になっても図書館や個人売買サイトにあったりするのですが雑誌は捨てられちゃうことが多いんですよね。なので探すのは一苦労。

しかもバルボフィラムがメインの号はこの3冊のみ!いかに人気がなかったかが伺い知れます(トホホ。ちなみにバルボを知りたいなら107号と147号がおススメ!145号は写真のみです)。いつの日か全号を揃えてデータ化したい!(版権とかってどうなってんの?)

蘭王 江尻光一 著(古本)

私は基本的に江尻流メソッドで蘭を育てて来ました。江尻さんは言わずもなが洋らん界の超有名人ですよね。先程紹介した須和田農園の前園主であり、現園主・江尻宗一氏のお父様です。

洋ラン園園主として日本の洋ラン黎明期から育種に尽力されただけではなく、書籍の出版やテレビ「趣味の園芸」出演を行うなど日本の洋ランの普及に多大なる影響を与えた方で、私は勝手に蘭王と呼んでいます。

育て方やハウツーを系統立てて言語化するのって、感覚で楽しむ面が強い育成行動と実は真逆にあると私は思っていて、二つを同時に行うマルチタスクな才能に惚れ惚れして、コツコツと本を集めています。あと文章がどれも柔らかく、お人柄を感じさせるのもいいです(蘭やってる人はみんなやさしい説)。

そんな中でおススメはこの5冊!

洋ラン栽培 コツとタブー

こちらはタイトル通り、コツとタブーが箇条書きになっている本です。それぞれのタイトルがこれまた面白い!カトレア【花には惚れろ、だが惚れ過ぎるな】【株分けマニアになるな】デンドロ 【ギリギリまで戸外に置く度胸をもて】などなど。膨大な蘭王の叡智が集約されています。

わたしの洋らん物語

こちらは江尻さんの自伝です。幼い頃のお話や出征されたお話、洋らん育成のお話やテレビ/ラジオ/執筆のお話に加えて、ご自身が印象に残っている約20品種のエピソードが記載されています。そしてこの方の自伝は当然洋ラン界の消長にも繋がっていて、まさに日本洋ラン界の叙事詩とも言えます。江尻マニア必見!

園芸の極意・至福の園芸

こちらは新書です。是非二冊セットで読んで欲しい、江尻流園芸礼拝です。園芸(洋らん)を通じて人生を楽しもう!そんなワクワクする話をエピソードを交えてたくさん書かれています。新書ですが読みやすいです。

不思議植物 洋ラン

育てていると感じる魅力や疑問を写真いっぱいで紹介されています。蘭の魅力エッセイ+育て方と言う自分的に1番ツボな組み方。エッセイの切り口も深堀して導き出されたであろう一歩踏み込んだ内容ばかりで非常に面白い!自生地写真がたくさんあるのも貴重です。

最後に

いかがでしたでしょうか。これ以外に素敵な本がたくさんたくさんあります。

まだしばらくは続くであろうコロナとの戦い。お家時間が増えたことで自宅の蘭との距離は縮まりますが、時にほどほどの距離を保つことも愛が長続きする秘訣です。

また特にこれからの年末年始は密を避けるのも大切なこと。そうなると、温かい部屋で本を読むのがいいのではないでしょうか。本は脳の食べ物、与えれば与えるだけパワフルになりますよ。そして蘭のイベントがたくさん行われるその日までコトコト弱火で蘭への情熱を煮続けましょう!

どうかコラムを読んで頂いた皆様がコロナ禍を乗り切りますように。そして笑顔でらん展で再開出来ることを楽しみにしています!

それでは今回はこれでおしまいです。

また次回もどうぞご贔屓に!最後まで目を通して頂きましてありがとうございました。

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蘭栽培歴5年、関西の一軒家で温室を持たずに蘭を育てている愛蘭家です。バルボフィラム属を中心に中温性の蘭と暮らしています。